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1.252016
資産に係る控除対象外消費税の税務と会計の処理
税抜経理方式を採用している場合には、控除対象外消費税(仮払消費税のうち税額控除が出来なかった部分)が発生する可能性があります。これは、課税売上高が5億円超又は課税売上割合が95%未満の場合は、税額控除できるのが、課税仕入に係る消費税額の全額ではなく、課税売上げに対応する部分の金額となるからです。
資産に係る控除対象外消費税の場合
例えば、固定資産の取得価格が10,000で消費税が8%の800、その課税期間の仮受消費税が1,000、課税売上割合が20%だったとします。この場合仮受消費税から控除できる仮払消費税は800ではなく800×20%の160となります。したがって未払消費税は1,000-160=840となります。
仕訳は次のとおりです。
(仮受消費税)1,000/(仮払消費税)800
(控除対象外消費税)640/(未払消費税)840
この控除対象外消費税が資産を取得したことにより生じた場合には、次の方法により損金算入します。
- 資産の取得価格にプラスして減価償却する
- 課税売上割合が80%以上の場合には全額損金算入
- 棚卸資産に係る場合には全額損金算入
- 一の資産に係る控除対象外消費税額等が20万円未満の場合には全額損金算入
- 上記に該当しない場合には、「繰延消費税額等」として資産計上し、事業年度の月数/60か月の金額を損金算入(ただし、資産を取得した年度は事業年度の月数/60か月×1/2)
会計処理は?別表調整?
控除対象外消費税の処理については2パターンあります。
- 繰延消費税や長期前払費用として資産計上し償却していく
- 全額を租税公課で処理し法人税の申告書上で調整する
1の場合には一旦資産計上をして5年で償却するイメージです。当期の利益を圧縮する金額が2に比べて少ないですし会計と税務のズレが生まれません。
2の場合には全額を一旦費用計上しますので当期の利益が減少することになります。しかし、法人税を計算する上では税務上認められている費用の額を超えていますので申告書を作成する段階で加算調整をする必要があります。
どちらがおすすめかと言えば、やはり1のパターンでしょうか。決算書の見た目もよくなりますし税務と会計のズレもなるべく少ないほうがよいです。
資産に係るもの以外である場合
資産に係るもの以外である場合には、全額が損金算入されます。しかし、交際費にかかる控除対象外消費税は交際費に含めて交際費等の損金算入限度額の計算をしなければならないので注意が必要です。