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12.112015
申告分離課税と源泉分離課税の違い
預貯金の利息は源泉分離課税
源泉分離課税制度の代表的な例として預金の利息が挙げられます。預金の利息は予め支払者が一定の税率で所得税を源泉徴収しており、その結果、所得税の納税が完結しています。他の所得と分離され源泉徴収されているので「源泉分離課税」といわれ、課税関係は完結していますので確定申告の必要はありません。
税率は所得税が15%、復興所得税が0.315%、地方税が5%となり、一定の割引債の償還差益は18.378%(特定のものは16.336%)となります。
土地建物や株式を譲渡した場合は申告分離課税
土地や建物、株式などを譲渡した場合には、給与所得や不動産所得など他の所得と合算して所得税を計算するのではなく、分離して所得税の計算をすることになります。これを「申告分離課税」といい、課税関係は完結していませんので確定申告が必要となります。
- 土地や建物を譲渡した場合
土地や建物を譲渡した場合の所得金額は次の算式で計算します。
売った金額-(買った金額+譲渡費用)-特別控除額
税率は、譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超えるかどうかで判定します。
5年超(長期)…所得税15%、復興所得税0.315%、地方税5%
5年以下(短期)…所得税30%、復興所得税0.63%、地方税9%
- 株式等を譲渡した場合
株式等を譲渡した場合の所得金額は次の算式で計算します。
売った金額-(買った金額+手数料等)
税率は所得税15%、復興所得税0.315%、地方税5%となります。
特定口座を利用している場合、この特定口座内での取引については、源泉徴収の有無を選択することができますが、源泉徴収アリを選択した場合には、その口座内における年間取引の譲渡損益と配当等については、原則として、確定申告不要となります。他の口座で生じた損益と相殺する場合や、配当所得と損益通算する場合、損失が発生したので来年以降のために譲渡損失を繰越しておく場合には、確定申告が必要となります。
配当をもらった場合には総合課税か申告分離課税かを選べる
上場株式等の配当を受け取った場合には、総合課税(確定申告必要)と申告分離課税(配当受取時の源泉徴収されているので確定申告不要)のいずれかを選択することが出来ます。総合課税を選択した場合には配当控除(一定金額を税額から控除できる)の適用がありますが、申告分離課税を選択した場合には適用がありません。
申告分離課税の税率は、税率は所得税15%、復興所得税0.315%、地方税5%となります。
配当所得がある場合には、総合課税と申告分離課税のどちらの方法で申告するのかによって、税負担が変わってくる可能性があります。そろそろ確定申告に向けて資料を集めて、余裕を持って申告が出来るように備えておきましょう。