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消費税中間申告のボーダーを上げるべき

前事業年度の消費税の年税額が48万円を超える法人や個人は消費税の中間申告をする必要があります。中間申告とは、1年分の消費税を最後に1度に納付するのではなく、事業年度の途中で決められた金額を納付して最後に1年分の税額と精算する制度です。消費税は基本的には預り金です。売上100に対して現行の8%ですと8は預かっていることになります。結局は1年間終わったら国に納付しなければならないので、この8は使わずにとっておかなければなりません。

消費税法において中間申告をする必要があるかどうかの金額基準は次のように決められています。

直前の課税期間の確定消費税額 48万円以下 48万円超~
400万円以下
400万円超~
4,800万円以下
4,800万円超
中間申告の回数 原則、中間申告不要
ただし、任意の中間申告制度あり
年1回 年3回 年11回
中間申告提出・納付期限 各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌日から2月以内 その課税期間開始後の1月分
→ その課税期間開始日から2月を経過した日から2月以内
上記1月分以後の10月分
→ 中間申告対象期間の末日の翌日から2月以内
中間納付税額 直前課税期間の
確定消費税額の6/12
直前課税期間の
確定消費税額の3/12
直前課税期間の
確定消費税額の1/12
1年の合計申告回数 確定申告1回 確定申告1回
中間申告1回
確定申告1回
中間申告3回
確定申告 1回
中間申告11回

確定消費税とは、基本的には前事業年度の確定した消費税の年税額をいいます。また、確定消費税には地方消費税は含みません。例えば消費税率5%時代ですと消費税4%、地方消費税1%の合計5%。現行の8%ですと消費税6.3%、地方消費税1.7%の合計8%という割合になっています。平成29年4月1日以降においては消費税率が10%(消費税7.8%、地方消費税2.2%)に引き上げられる予定です。

つまり、100の売上に対して5%時代ですと4.8%時代ですと6.3の消費税を預かっていることになりますが、消費税の中間申告の金額基準はいまだに5%時代のままなので前年と同じ売り上げだったとしても納付する消費税は増加しますので、中間申告をしなければならない事業者が理論上は増加することになってしまいます。また、今まで中間申告が年1回だった事業者が、3回や11回に中間申告の回数が増加するケースもあります。

結局は払わなければならない税金ですので同じかもしれませんが中小企業にとっては資金繰りに非常に大きな影響を与えることになります。消費税率を上げるのであれば、中間申告のボーダーラインも同時に引き上げるべきではないでしょうか。

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